こころのレシピ Vol.40 今の会社を辞めたいのですが、2人の子育てをしながら転職はできるでしょうか

2023年12月8日

東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第40回は、シニア産業カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント、神奈川支部登録カウンセラーとして活躍する矢部玲子さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。

【ご相談:30代女性 Kさん 】

新卒後、正社員の営業職で今の会社に13年間勤務、 4歳と1歳の子どもがいます。 上の子の時は、職場の理解もあってスムーズに復職できたのですが、下の子では、育休明け突然に配置転換となり、今までとは全く業務が異なる部署に異動、役職や担当先も外されてしまいました。 部内の人間関係も合わず、子供の熱で休んだ際には「何で熱出しちゃったんだろうね」「今どんな容体か逐一報告して」と女性の上司に言われ、会社に何度も連絡しました。上の子は何とかしのいできましたが、下の子は異動と保育園の入園とが重なって、とうとう私自身が体調を崩してしまいました。クリニックを受診したところ、適応障害の診断書が出て、今月より休職することになりました。
希望を持って入社した会社で、頑張って働いてきたのに…とやるせない気持ちでいっぱいですが、今の職場への復帰が苦痛でたまりません。2人の子育てをしている女性の先輩はいますが、時間外の残業をして、頑張れる人しか残っていません。夫は、土日や早朝から深夜までシフト制で勤務しており、子育てにあまり協力出来ない状況です。これからお金もかかるので転職も考えていますが、子育てしながらでは厳しいのでしょうか。

Kさん、ご相談ありがとうございます。Kさんは、2人の子育てをしながらお仕事をされてきたのですね。育児と仕事の両立は、とても大変だと思います。また、下のお子さんの育休明けの際、配置転換になり働く環境も変わって、役職や担当先も外されてしまったとのこと。そんな中Kさん自身が体調を崩してしまった。頑張ってきたのに、やるせない気持ちと、今の職場への復帰が苦痛で転職を考えてしまうほどなのですね。
つらく、不安なお気持ちが伝わってきます。まずは体を治すことを第一優先に考えてください。そしてKさんの状況や気持ちを整理しながら、これからのことを考えていく事をお勧めします。

適応障害と診断されたことについてですが、働く環境はとても大切です。復職の際に、もし配置換えを希望すれば、聞いてもらえるのか、会社に相談することはできますか?人事課や上長に確認してみましょう。

Kさんは、子育てを1人で頑張ってきたのですね。今はお子様が2歳になるまで、男性でも育児休暇を取得することができます。お忙しい旦那様とは存じますが、よく話し合ってみましょう。

13年も会社で頑張ってこられて、「上のお子様の時はなんとかしのいできた」ということですが、もちろん大変だったこともあったと思います。そんな時どのように乗り越えてきたのでしょうか。きっとそこには、あなたを支えている価値観、信念などがあったのではないでしょうか。今一度自分と向き合う時間を作ってみましょう。

その上で、やはり転職をお考えならまずは「今後自分がどうなりたいか」を考えることが大切です。今は在宅勤務などさまざまな働き方があります。ぜひ、自分に合った「働き方」を明確にして、今までの自分のキャリアや、今の状況を理解してくれる企業探しをしてみてください。

矢部 玲子(やべ・れいこ)
シニア産業カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント、GCDF-Japanキャリアカウンセラー、神奈川支部登録カウンセラー
自治体や企業の相談業務、研修講師、大学生の就職支援などに携わる。

 

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