東京支部では、日常生活や仕事の中でのストレス、苦難を乗り越えるための知識や工夫を、産業カウンセラーの立場からお答えします。今回の悩み相談にお応えするのは、産業カウンセラーの宮﨑美苗さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
ご相談をお寄せいただきありがとうございます。
人を育成するうえでは「叱ることと怒ることは違う」と言われて久しいのですが、ご質問はまさにその部分で迷っていらっしゃるのかなと感じました。また、子どものころから持ち前の気質でご苦労されていたのですね。大人になってからは周囲の方を細やかに気づかわれていることが想像できます。正しさの一方的な押し付けは相手を深く傷つけてしまうことも、経験から十分に身に染みておられることと思います。
50代と学生アルバイトでは親子のような年齢差でしょうし、必ずしも長幼の序という順番とはいかない現代では、年下上司や年上の指導対象との関係で悩まれている方も多くいらっしゃいます。年長者からの不用意な言葉に傷つくケースが多いのも事実です。
しかし、温厚な上司や職場環境に恵まれているのであれば、Tさんが注意指導したことがあればその都度上司に報告しておき、感情的な問題が何かあれば周囲からフォローしていただくのも一つの手かもしれません。
「父性原理/母性原理」という心理学用語があります。
「父親原理とは、現実的、客観的なルールを提示し、子供の自立を促進させる機能のこと。子供には“厳しさ”をもって、物事にチャレンジさせるよう働く。一方、母性原理とは、無条件に温かく受け入れることで、子供の精神的安定の基盤となる機能のこと。“やさしさ”や“温かさ”をもって、子どもとの愛着関係を形成する。子育てや教育においては両社の共同作業が必要である。父性原理は男性固有のものではなく、母性原理は女性固有のものではない。」(イミダス時事用語辞典より)
https://imidas.jp/genre/detail/L-104-0083.html
(持って生まれた性別に基づく役割だという誤解を招かないよう、最近では「親性」など性別を明記しない表現に置き換えられることもあるようです。)
Tさんが父性をもって規範やルールに基づいた指導やアドバイスをし、上司をはじめ他の方が母性をもってその後のフォローをすることができれば、新人や若い人をやみくもに傷つける結果にはならずに済むように思います。このことは、組織の中で性別にかかわらず役割を分担し、組織全体で協力して人材を育成していくことにつながっていくのではないでしょうか。これはPM理論にも通じるものがあります。
ここでいう父性と母性を状況に合わせてバランスよく使い分けていくことは、小さな子どもたちだけでなくすべての世代の成長に必要な要素かと思います。
人が育つには時間が必要です。正論で追い詰めず、ご自身でも気づかれているように「何を言うか」だけでなく「どのように伝えるか」を念頭に置き、焦ることなく双方向の会話を続けていかれるとよいですね。
| 宮﨑 美苗(みやざき・みなえ) 日本産業カウンセラー協会東京支部 産業カウンセラーとして活動9年目。10~20代の若い世代から高齢者まで、健康やスポーツに関する相談対応を中心に幅広く活動している。 |
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