東京しごとセンターの専門サポートコーナーとは?
~就労支援アドバイザーとして働く産業カウンセラー~

横山雅博さん
| 「働きたい」という気持ちはあっても、障害や生活環境などさまざまな理由から、社会への一歩を踏み出すことに不安を抱える方は少なくありません。東京しごとセンターの専門サポートコーナーでは、そうした方々に寄り添い、就労の準備から就労後の定着まで継続的な支援を行っています。 今回は、専門サポートコーナーの統括アドバイザーである横山雅博さんに、就労支援への思いについて伺いました。 |
一人ひとりに寄り添う就労支援「専門サポートコーナー」
専門サポートコーナーは、東京都が制定する「都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例」の趣旨を踏まえ、令和2年9月30日に開設されました。
対象は、心身の障害のある方をはじめ、経済的・社会的及びその他の理由で就労困難を抱える方になります。具体的には精神障害のある方の他、身体障害や知的障害のある方、生活困窮者、引きこもり経験のある方、病気療養中の方、刑務所から出所後に再スタートを目指す方など、多様な背景を持つ方が利用しています。
このような方々の就労をサポートするのが、就労支援アドバイザーです。 利用者の一人ひとりの状況や希望を聞き取り、不安に寄り添いながら、就労に向けた準備や仕事探し、就労後の定着につなげるまでをトータルで支えています。
「障害のある方をはじめとする就労困難者は、就労活動を始めるまでの最初の一歩が踏み出しにくい」
だからこそ、就労先を紹介するだけでなく、一人ひとりのペースを大切にしながら、「働きたい」という気持ちを育み、自分らしい一歩を踏み出せるよう寄り添い続ける場所――それが専門サポートコーナーの役割になります。
就労支援アドバイザーと一緒に安心して働ける環境を見つけます
では、就労支援を行うにあたりどのような流れでサポートをするのかご説明します。
コーナーの利用を希望される方は、まず就労支援アドバイザーと初回面談を実施します。その方が置かれている状況をヒアリングした上で、より適した支援について一緒に考えていきます。結果、就労活動の準備を整えてから利用したいということで支援を見送る方もいますし、ご本人の希望に近い支援機関をご紹介させていただくケースもあります。
なお、専門サポートコーナーの利用期間は最長1年間です。多くの方は、集中的な支援を受けることで、4~6か月程度での就職を目指しています。
利用開始後は、定期的な面談を通して就労への希望や、現在抱えている不安・課題を丁寧に整理し、一人ひとりの状況や目標に合わせた支援計画を作成していきます。 就労に向けて準備を進めていく中では、専門サポートコーナーが主催しているパソコン講座、自己理解・自己分析、応募書類の書き方などのセミナーを受けることができます。
セミナーに参加することで就労に必要な力を身につけることができ、自信を持って就労活動に挑めます。
さらに専門サポートコーナーの特徴として、複数の専門スタッフによるチーム支援が挙げられます。就労支援アドバイザーを中心に、利用者の希望に沿うような就職先を探す求人開拓員、精神保健福祉士・臨床心理士などの資格を持つ専門支援員などが連携し、利用者一人ひとりに合わせた支援を行っています。
求人紹介では、一般求人に加え、障害者求人も含めた幅広い選択肢を用意しています。
特に障害者求人では、職場見学や会社説明会の実施を積極的に受け入れてくださる企業が多くあります。利用者が企業の方と直接話すことで、働くイメージを持っていただけます。必要に応じてスタッフが面接に同行する場合もあり、実際の職場環境などを知った上で応募できる機会を大切にしています。
さらに、就労後のサポートも充実しています。
専門サポートコーナーでは、希望者に対して就職後に6か月間の定着支援を行っており、職場訪問や面談、電話・メールでの相談対応など利用者が安心して働き続けるためにサポートしています。
コーナー運営についてお伝えすると、平日は夜8時まで、土曜日は午後5時まで相談を受け付けており、仕事や生活状況に合わせて利用しやすい体制を整えています。
支援対象は都内在住の方だけではなく、東京都内への就職を希望している場合は都外在住者も利用できますので、埼玉県・千葉県・神奈川県などにお住まいの方にも実際に支援を行っています。
「聴くこと」を大切に、利用者とともに考える
私自身は、産業カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタントであり、支援をする中で「傾聴」を大切にしています。
利用者の話を丁寧に聴き、現在の状況や不安、希望を理解することが支援の第一歩になります。
就労という目標があるからこそ、支援者の考えを押しつけるのではなく、利用者自身の思いやペースを尊重することを意識しています。
また、産業カウンセラーやキャリアコンサルタント同士の横のつながりも、支援の質を高める大切な要素です。コミュニティでの情報交換や対面での講習参加を通じて、支援者自身も学び続けていると実感しています。
就労支援アドバイザーの仕事は、利用者を支えるだけでなく、自分自身が産業カウンセラーとして経験を深める場にもなっています。
専門性と、人とのつながりを大切にしながら、利用者一人ひとりの「働きたい」という思いに寄り添い、その新たな一歩を支えていきたいと思います。
※東京しごとセンターの「専門サポートコーナー」のウェブサイトはこちらをご覧ください。
専門サポートコーナー
| <横山雅博さん プロフィール> 大学卒業後に外資系コンピュータ会社でシステム営業に従事する。 その後、人材教育会社(一般社団日本能率協会<現・ 株式会社日本能率協会マネジメントセンター>)に入社。社内システム開発を経て、企業向け社員研修の企画運営、通信教育教材の開発、人材アセスメントの実施などを担当して定年。 同社退職後はキャリアコンサルタントとして、各労働局などでの就労支援事業、首都圏自治体等での就労相談などを経て現職。 2013年 産業カウンセラー、キャリアコンサルタント 取得(日本産業カウンセラー協会) 2015年 2級キャリアコンサルティング技能士 取得 |






