こころのレシピ Vol.21 心身のコントロールの仕方がわかりません

2022年3月9日

東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第21回は、シニア産業カウンセラー、公認心理師、として活躍する大塚摂子さんの登場です。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。

【ご相談:Mさん 22歳 男性 会社員】

高校を卒業後、心身の不調で現在は就学も就労もできていません。
身体と心の繋がりによるものなのか、身体か心のどちらかが悪くなると両方悪くなりやすいです。

自分の対処法は、時間の経過に任せて、身体か心のどちらかが安定するまで待つ方法しかないのですが、自分を立て直すための他の方法を何通りか知りたいです。
どうすれば立ち直れるのか、アプローチのポイントも知りたいです。

また、身体と心が元気な時に、エネルギーを使いすぎてしまい、セーブをかけるタイミングが遅くなり疲れ切ってしまいます。気を付けるべきポイントとかありますか?
時々頼まれる仕事も、ある程度でやればいいのに、その時にできる最高の状態にしようとしてしまって時間がかかってしまいます。どうすればよいでしょうか。「ある程度」の加減が分からず、いつも不安です。
恥ずかしいことではないと思いますが、高卒止まりなのは…っていう気持ちも引っかかっています。

(大塚)

ご相談を拝見しました。
心身の不調がありコントロールする方法を知りたいとのこと。いまは就学も就労も難しく、とてもお辛い気持ちが伝わってきました。
おっしゃるように、心と身体はつながっていると思います。身体に不調があれば気持ちも落ち込んだりしますし、心に不調があれば、身体がその苦しさを訴えることもあります。
そのときの対処法としては、回復するまで「待つ」というのも大切な一つの方法なのかもしれません。待っている間はどうにも苦しさのやり場がなく、しんどいものですが、その状態のまま無理をしても、余計に負荷がかかってしまい、心と身体の回復がさらに遅れてしまうということも考えられます。
時間の経過に任せて待つ方法は、ご自身が自分の状態をコントロールしながら、大事にできているということでもあるのではないでしょうか。「大丈夫だよ、待ってるね」と、心と身体に声をかけて、ご自分の肩を撫でたりしながら、寄り添ってあげてくださいね。

あとは、気分転換の方法を、元気なときにいくつか書き出しておいて、不調に陥ったときに、そのリストを見ながら実践してみるというのも工夫できる方法かと思います。元気がなくなったときは、気分転換の方法を思いつくことができなくなってしまうので、元気があるときにリストアップしておくのがポイントです。
小さなことでよいので、実践しやすいことをできるだけたくさん書き出してみましょう。掃除をする、引き出しの中を片付ける、香りのいいコーヒーやお茶を飲む、好きなゲームに没頭する時間を持つ、好きな映画、好きな音楽、散歩コースを考えておく…など、身の回りでできることでかまいません。50〜100個を目標に書き出してみてくださいね。

元気がなくなったとき、そのリストを眺めて、そのときに実践できそうなものにトライしてみることができますし、そのリストがお守りのような存在にもなってくれます。

また、元気があるときは、セーブをかけるタイミングが遅くなり、エネルギーを使いすぎて疲れ切ってしまうとのこと。最高の状態にしたいという思いも、全力で努力できる素晴らしい長所ですし、自分を否定しないでほしいなと思います。
エネルギーを使い過ぎているときを数字に置き換えてみると、100%を超えた120〜140%の力を出し続けているのかもしれません。そうすると時間の経過とともに限界が来るのは当然のことのように思います。「ある程度」というのは、70%程度の力で、必要な休憩を挟みながらずっと動き続けられることなのかもしれませんね。
最高の状態を目指して時間がかかってしまうことについては、この作業を何分でやろうという目標を設定して、タイマーをセットすると時間管理がしやすくなると思います。

「ある程度」の加減がわからず、いつも不安があるとのこと。緊張や不安を和らげるにはヨガや瞑想を取り入れるのがよいといわれています。深い呼吸が緊張や不安に陥っている脳をくつろがせてくれます。以下のサイトに「からだを使って、こころを整える」簡単なヨガの方法も載っていますので、よろしければ参考にしてみてくださいね。
https://kokoro.mhlw.go.jp/ps/relaxation/

学歴のことも気になっているとのことですが、心身のコントロールがいまよりもできるようになり、元気が出てきたら、進学にもチャレンジできるのではないでしょうか。通信大学なども視野に入れてみると、比較的自分のペースで勉強できますし、卒業も目指しやすいかもしれません。信頼できる周囲の方々にも相談しながら、考えてみてくださいね。
心と身体が「ある程度いいかげん(良い加減)」のバランスを保ちながら、安心して過ごしていけることを応援しています。

大塚 摂子(おおつか・せつこ)
シニア産業カウンセラー、公認心理師、2級キャリアコンサルティング技能士
主に福祉現場にて、若者や女性のキャリア相談や生活支援、ケースワーク・グループワークに携わる。対面、電話、メール、SNSでの相談業務、セミナー講師などを担当しながら、その人がその人らしく生きることを、伴走型支援を通してサポートしている。

 

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