管理者から新人まで
「気づいて防ぐ職場のパワハラ」開催報告

2020年8月20日

前回に続き、事業推進部のZoomによるオンラインセミナーが7月30日(水)に開催されました。
今回はシニア産業カウンセラーの吉田千晶講師によるハラスメントをテーマにした研修でした。

この研修の目的は、職場で大きな問題になっているハラスメントを失くすこと。
働きやすい、生産性の高い元気な職場づくりのためにハラスメントの未然防止を学ぶもので
4つのプログラムから構成されていました。

Ⅰ 職場のハラスメントを理解する
Ⅱ パワーハラスメントの起こる要因について
Ⅲ 対人関係改善の手法
(ハラスメントの予防のために当協会の会員によって開発された手法を体験)
Ⅳ まとめ パワーハラスメントをなくす為に・・何が必要か

Ⅰ.職場のハラスメントとは
いじめ、嫌がらせのことで、その結果、相手に対して苦痛を与え、悩ませるなどにより尊厳を傷つけ、脅威を与えてしまうことを指します。

職場で行われる3大ハラスメントとして
① 相手の意に反して性的な言動が行われ、拒否することで降格などの不利益を被る。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
② 妊娠、出産、育児などが原因でいじめや解雇などが起きてしまう。
マタニティハラスメント(マタハラ)
③ 優越的な関係を背景にし、力がある人が弱い人に対して行う
パワーハラスメント(パワハラ)

を挙げ、それぞれの説明がなされました。

また、昨今コロナの影響もあり、オンライン会議に招待されない、会議中に自宅の様子について言われるなどリモートハラスメント(テレワークハラスメント)と呼ばれる新しい言葉もできているそうです。

研修参加者に職場のパワハラチェック(10項目)を行った結果、問題ないと答えた比率は高かったのですが、1つでもチェックが付いた場合「ハラスメントの土壌がある」と気づくことが大切と吉田講師は言います。その影響は個人、職場、そして企業経営に対しても大きな損失を招くことにもつながるとのことです。

Ⅱパワーハラスメントの要因
自分では気づかずに無意識のうちに発している言葉や非言語的な言動を本講座ではパーソナリティと呼んでいます。周囲に無意識に発している「パーソナリティ」は、プラス、マイナスの影響を職場に与えていますが、それがハラスメントに繋がる要因となることもあります。また、特に上司のパーソナリティには企業の経営姿勢や上司の働く環境なども関与していることなど、パワハラの要因の全体観を基に説明がなされました。

吉田講師

Ⅲ 対人関係の手法
自分のパーソナリティに気づき、自覚なく周囲に与えているマイナスの影響を無くすための改善策を考え、ハラスメントを未然に防止するためのツールとして、協会員が開発した手法が*インフルエンス・マネージメントです。この講座では、インフルエンス・マネージメントのワークシートを使用し、記入後グループに分けてオンライン上で気づいたことをお互いにディスカッションする時間を設けました。
*インフルエンス・マネージメント®とは対人関係を改善するための手法でパーソナリティを認識・確認することで周囲との関係をプラスに改善すること。

ディスカッション後の全体シェアでは、
・相手に合わせてコミュニケーションをとっていることが分かった。
・自分がどのようなパーソナリティを出しているか考えたことも無かったが、書き出してみることで無意識に発している言動に気づいた。
・意識を持って自分の言動を変えていくことでハラスメントは回避できると思う。
など、参加者は多くの気づきが得られたようです。

Ⅳ ハラスメントを無くすために
セミナーのまとめとして、部下指導のポイントや上司に対するパワハラ防止策および、ハラスメントの相談を受けた場合の留意事項などが分かりやすく解説されました。
傾聴の基本である相談者の気持ちを受けとめ、話を聴くことの大切さも分かりました。

インフルエンス・マネージメントの実施ステップは、認識・確認・改善の3段階です。今回はパーソナリティを書き出して認識し、与えている影響を確認する2段階目まででしたが、インフルエンス・マネジメントのすべてを知りたい方は、ぜひ東京支部事業推進部までご連絡ください。

また今回のセミナーで使用したハラスメントガイドブックは協会で購入できます。
詳細はこちらをご覧ください。

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事業推進部主催 セミナーのご案内

ハラスメント相談対応研修(基礎編+実践編)
【日時】
10月14日(水)9:00~17:00
11月10日(火)9:00~17:00
【講師】
山田 るり
(日本産業カウンセラー協会 東京支部登録講師 シニア産業カウンセラー
ハラスメント防止コンサルタント)

詳細はこちら

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