4月25日(日)に「心理支援に活かす動機づけ面接」オンライン講座を開催しました。
当日のスタッフがその様子を報告します。
今回講師としてお招きしたのは、
加濃正人先生(昭和大学横浜市北部病院講師、大石クリニック)
大野佳子先生(独協医科大学看護学部大学院 看護学研究科教授)
ファシリテーターとして
三瓶舞紀子先生(日本体育大学 体育学部健康学科 准教授)のお三方です。
当日の参加者は23名で、オンライン講座とあって海外からの参加者もいらっしゃいました。
今回のテーマである「動機づけ面接法」とは、
① 受容・共感的な要素
② 変化を方向づける要素
この二つを融合させた面接のスタイルです。
アルコール依存、薬物依存、喫煙、ギャンブル依存や摂食障害、DV、家族関係などの問題解決に効果が証明されているほか、援助に拒絶的なクライエントに対しても良好なコミュニケーションを生み出す有効性が示されています。
基本理念の解説の中で「クライアント自身が持つ『変わる理由』を引き出し探ることで、そのクライアントの動機と特定された目標に向かう決意を強めます。」と大野先生。
たしかに、体調を崩しているにもかかわらず、医師に節制を指示されてもなかなか行動変容に結びつかないケースは多いでしょう。依存症の治療であればなおさらです。支援者の立場からも、あと一息なのになぜ…と感じることがあるかもしれません。
また加濃先生によると「クライエントが変わる理由は個人の価値観が大きいのです。自分の大切にしている価値観をみつけ、それを明確にするワークを行っていきます。受容と共感だけではなかなか変わりたくても変われない状態から、チェンジトーク(自己動機づけ発言)によって変化することを目指します」とのこと。
これらの解説の間に、基本技法の理解として20分のワークを2回、3人1組で行いました。2人の講師とファシリテーターが入り、細やかで客観的なアドバイスのもと、なごやかにワークが進められました。質問についても、講師とファシリテーターがチャットですぐ答えてくださったので、受講者のみなさんにとって充実した内容となったと思います。
講座時間が2時間とコンパクトではありましたが、講座の後半に質問に答えるかたちで講師たちのロールプレイを見せていただくチャンスがありました。
これによって具体的なイメージができたと同時に、頭では理解していても技術として使えるかどうかはまったく別であり「もっと練習しないと…!」と痛切に感じました。
ご参加くださった皆さんには、この講座で学んだことを、すでに持っている産業カウンセリングの技術を最大限に発揮するための、プラスワンのツールにしていただけたらと思います。
次にはもっと演習の回数を増やした研修があるといいな…と思いながら閉講しました。
参加後にたくさんの声をいただきました。
・ オンライン研修が増え、地方在住の私には学びの場が増えて大変ありがたく思っています。
・ 介護をしているのでオンラインセミナーは家を空けることなく受講ができ、ありがたいです。
・ 短時間でしたが時間的には無理なく、隙間時間で受講できる素晴らしい講座でとても勉強になる内容でした。
東京支部では、代々木教室をはじめとする都内の会場や、オンラインでの講座を随時開催しています。
東京支部会員の学びの場はもちろん、資格のない方たちも学べる場をこれからも提供してまいります。ぜひご参加ください!