東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第46回は、スクールカウンセラー、SNS相談員として活躍されている佐々木直己さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
【ご相談:Wさん 女性 30代】
発達障害の診断を受けた子どもがいます。子どものことであれこれ調べて学ぶうちに、親である自分も発達障害を持っているのではないかと感じるようになりました。空気の読めなさ、気持ちのコントロールや人との距離感のずれ、物や時間の管理の苦手さなど、発達障害の特徴と思われるものが自分にはいくつもあります。 幼少期から、家の外では「自分は普通ではない」と感じることが多くありました。若い頃は、遠慮のない人に「なんであなたはいつもそうなの?」と詰め寄られたことも何度かあります。その人たちがなぜ憤っていたのか自分には理由がわかりませんでした。 現在は、大変ですが家事育児はなんとか自分でやっています。しかし、出産を機に仕事を辞めたまま就労はできずにいます。キャパシティーが足りずワーキングママにはなれそうもありませんし、我が子を育てる上では自分も解決できないままの問題が多すぎると感じています。我が子の困りごとは、自分が子どもの頃と似ている部分があるのでなおさらです。 子どものような配慮や援助を受けられるわけではないと思うのですが、自分も、今から発達障害の診断を受けたほうがいいのでしょうか。またその場合、大人の発達障害はどこで受診するのがよいのでしょうか。 |
メール拝見いたしました。
ご相談ありがとうございます。いつも家事に育児にお疲れ様です。
まず、自分も診断を受けた方がいいのか?ということですが、相談者さんが日常生活の中で困り感があるのであれば(困り感を感じているのであれば)、お医者さんの元へ行くことで生きやすくなるヒントや手立てなどを教えてもらえるかもしれませんし、ご自分の事を考えるよいきっかけになるのかなと思いました。ずっと抱えてこられた生きづらさの詳しい原因もわかるかもしれませんね。
受診先は精神科や心療内科などが一般的ではありますが、かかりつけの内科などに相談してみるのもよいかと思います。診断が出るかは定かではありませんが、ご相談されることによりなんらかのアドバイスを受けられると思います。今後、就労への道も開けるかもしれませんね。
お子さんに「お母さんも同じような感じで悩んだことがある」ということや「一緒に頑張ろうね」というようなことを伝えると、お子さんも「困っているのは自分一人ではない」と思い、心強いかもしれません。
また、お母さん自身の経験から、お子さんに必要な支援や手立てについて他の方よりも気づきやすいのではないかと思います。
最近、相談者さんのように、お子さんの診断をきっかけに悩まれる方は多くなってきています。小さいとき~学生時代は環境上カバーできていたことが、社会に出ることによってカバーしきれず表面に出てくる…というパターンが多いようです。
援助や配慮については、手帳を取得できるのであれば、税金の減税や乗り物の運賃が安くなるということがあります。誰に見せるというものではないのでご自身のお守りとして持っているのもいいかもしれませんね。ヘルプマークをつけておくことにより周りの支援を受けやすいということもあります。お子さんがもし手帳を取得されるのであれば、そのときに併せて確認してみてもいいかもしれません。
トム・クルーズやスティーブ・ジョブズ、さかなクンのように自分の特徴を理解し上手に支援してもらい、成功を納めた人もいます。もしかしたら、お子さんやお母さんも大成功するかもしれませんね。
佐々木 直己(ささき なおみ) 児童相談所や児童館、スクールカウンセラー、SNS相談員などを経験。精神保健福祉士や社会福祉士や産業カウンセラー、自閉症スペクトラム支援士、SNSカウンセラーなどの資格を持ち「決まった療法を使用するということはなくCLに合わせて面接を通して様々な対応をしていくこと」をモットーとしています。 |
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