東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第45回は、シニア産業カウンセラー、精神保健福祉士として活躍されている遠藤美穂さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
【ご相談:Gさん 40代】
裏表が激しい同僚がいます。新人には猫なで声で優しい先輩を演じるので、みんな最初は信頼できる人だと思うのです。しかし何年か経つとだんだん態度が変わり、相手をコントロールしようとし始めます。上司や先輩には一切そんな面を見せません。 その人が担当部署のリーダーになってからは、関連の同僚たちと頭を抱えています。 一番困るのは明らかな嘘をつくことです。 単に意見が合わないだけなら調整のしようもありますが、陰で嘘をつかれると、誤解を説くところから始まりすぐに解決できるものもできなくなってしまいます。面倒な人ですが「あの人はときどき嘘をつくから信じないで」と言いたくない気持ちもあります。 |
ご相談ありがとうございます。
嘘をつく同僚がいらして、それに困った周りの方たちのご相談をGさんは受けていらっしゃるのですね。
事情を把握し親身になってご相談を受け対応されているGさんが伝わってきました。
陰で嘘をつかれることへの厄介さや事態の修復に苦慮されているなかで、今は周りの方と情報を共有し、複数の上司の方々へ状況を把握していただくことで対策を講じておられるのですね。
「なぜ、すぐバレる嘘をつくのか」と理解しがたい同僚へ困惑しても、仕事となると避けてばかりもいられないですね。
嘘をつく行動には何らかのメリットが生じることもありますが、多くの人は良心に恥じている感覚から、嘘をついた後に後悔や自己嫌悪の気持ちを抱きがちです。ですが、今回のお話から想像すると、嘘をつく同僚からはそのような気持ちが感じとれず、そのことも理解しがたさにつながっているように思いました。
嘘をつく理由・嘘をつかざるを得ない理由はさまざまなようです。
1.自己保身:人々は時々、自分自身を守るために嘘をつくことがある。例えば、過去の過ちを隠すため、他人に不利な情報を隠すため、または罰を逃れるため。 |
2.社会的圧力:社会的な状況や文化的な背景によって、嘘をつかざるを得ない場合がある。例えば、社会的な期待や規範に従うため、他人を守るため、または人々の評価を気にするため。 |
嘘をつく同僚の言動が業務上、あるいはマネジメント にかかわる場合は上司の方々の判断にお任せしていくことになると思いますが、同じ職場に働く者としては、嘘をつく同僚の方の背景を鑑みると、少し折り合いをつけやすく なるでしょうか。嘘をつくことで何かを守っているのかもしれないという部分に納得はいかなくとも、嘘をつかざるを得ない方なのだと思い、適切な距離を保ちながら、上手に関わっていくことが大切なのかもしれません。
Gさんがその他周りの皆さんと連携されていることに一番の安心があり、Gさんの対応で周りの皆さんの安心も保たれていると思います。面倒な一面ばかりが目に付き、気の休まらないときもあるかと思いますが、周りの皆さんと共有しながら状況が一つひとつ改善されていくことを願っております。
遠藤 美穂(えんどう・みほ) シニア産業カウンセラー、精神保健福祉士 企業の相談業務、行政の障害者支援業務に従事しています。 |
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