8月22日(日) 9:30〜16:30、「ナラティブ・アプローチ入門」オンライン講座を開催しました。
参加人数は24名。講座の様子を研修部のスタッフが報告します。
この講座では、ナラティブ・アプローチの考え方を知り、対人援助にどのように活かすのかを学ぶため、ナラティブの考え方の基礎にある「社会構成主義」にも触れていきます。
当日は「語りを聴く」ことと「傾聴」の違いは何なのかを、豊富な事例を交えて体験的に学習し、ナラティブ的な面接技法のワークもあり、傾聴のおさらい、あるいは初心に返る貴重な体験ができるよう準備されていました。
今回講師としてお招きした荒井浩道先生は、駒澤大学文学部社会学科社会福祉学教授、そして群馬県にある曹洞宗泉龍寺の住職でもあります。東京〜群馬を行き来して、多方面にて活躍されています。
「ナラティブ・アプローチを行う支援者は、支援する人のナラティブ(物語、語り、声)の言葉に注目をし、何が語られたかだけでなく、それがどのように語られたか、さらには何が語られなかったかに注目する」とナラティブの大事な視点から講座が始まりました。
講座中に、ナラティブ的面接技法のトレーニングを何度も行うことで、体験的に実感することができました。また「ナラティブ・アプローチでは、問題を解決しない/結果としての解決を目指すのであり、問題は問題、解決は解決、支援は支援と分けて捉えていく」ということが印象的でした。
そして、支援するって何だろう?と立ち止まって考えるきっかけになる講座でもあり、専門職が陥りがちなこと、困難事例へ支援することの難しさ、支援しない支援など、荒井先生のお話から多くのヒントをいただきました。
<受講者の声> ・オンラインにも関わらず、講師の話を聞き、時間内に実践練習もでき有意義な講座だったと思います。 ・特に、「語られなかったこと(抜け落ちていること)」を意識すること、無知の姿勢で聴くこと、問題解決をしようとしないことなど、ついつい普段の面接で忘れがちになってしまう点を今一度振り返ることに繋がりました。早速、明日からこころを入れ替えて(笑)面接に臨もうと思います。 ・モダニズムとポストモダニズムの違いはとても分かりやすかったです。「ゆるふわ」という表現に、荒井先生の優しさを感じました。 |
講座開講前に荒井先生から動画によるメッセージをいただきました。こちらもご覧ください。
事前に受講者にオンライン講座についてアンケートを行ったところ、
「通信障害の問題、電波の状況により落ちる場合が心配」など、オンライン受講に関しての不安を感じている方も複数いらっしゃいましたが、「今までトラブルになったことはありませんが、緊急連絡先がアナウンスされていたので安心しました。」との声もいただきました。
今後はますますオンラインで開催される講座が増えることと思います。みなさんに少しでも安心して参加していただけるよう、サポートしていきたいと考えています。
研修部開催の講座情報
B-032 産業カウンセラーとして知っておきたい「心理検査(アセスメント)」の実践的知見
2021年9月23日(月祝)9:30~16:30
代々木教室集合形式で開催します。ぜひご参加ください!
◆2021年度研修部主催分類別講座一覧は以下をご覧ください。
2020年度研修部主催講座 分類別一覧(PDF)