こころのレシピ Vol.44 70代の上司に悩んでいます

2024年5月12日

東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第44回は、シニア産業カウンセラー、公認心理師として活躍する大塚摂子さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。

【ご相談:Tさん 20代男性 アルバイト】

自分は今、2つのアルバイトを掛け持ちして働いています。
メインで働いているバイト先は働きやすく、やりがいもありますが、サブのバイト先は、70代の上司の考え方や仕事のやり方に働きにくさを感じています。
その上司は、何十年も仕事のやり方を変えず、アナログで効率も悪く、無駄が多いので、新しい人が入ってもそのやり方や上司になじめずすぐ辞めてしまいます。
パソコン操作も苦手のようで、いまだにワープロを使っています。
バイトのシフトも「調整が面倒だから」という理由で、曜日固定のフルタイムで入らなければなりません。他の部署は短い時間でもシフトに入れるのですが、この部署だけは融通が利きません。

今回、メインのバイト先が繁忙期のため、3か月間は常勤で働くことになり、その間はサブのバイト先を休まなければならなくなりました。
管理職の許可をもらえたのでそのことを70代の上司に報告したところ「その期間もシフト入ってくれないか?」と言われてしまい、受け入れてもらえません。何度も上司に「その期間はバイトに入れないので、期間が明けるまで休ませてください」と伝えているのですが「何とかならないかな」と毎回聞かれて憂鬱になります。仕事自体は好きなので辞めたくない気持ちもありますが、融通も利かず、仕事やり方や考え方を変えない上司にどう対応していけばいいのでしょうか。

ご相談ありがとうございます。
現在アルバイトを2つ掛け持ちしていて、今回、メインのアルバイト先が繁忙期となり、サブのアルバイトを休むことになったとのこと。
管理職の許可をもらえているのにも関わらず、上司の方からなんとかシフトに入ってくれないかと毎回聞かれてしまうのであれば、憂鬱な気持ちにもなるだろうと思います。
仕事のやり方や考え方を変えない70代の上司に、どう対応していけばいいかというのは、簡単には明快な答えが出ないかもしれませんね。

少し距離をとって考えてみると、アルバイト先の組織は何故その70代の上司を雇用し続けているのでしょうか。おそらく、長年の貢献が評価されているとか、融通の効かなさや困ったところもあるけれど、組織としてなんらかのメリットがあるからなのではないかと思われます。

管理職の方やそのほか上司のことを昔から知っている方などに、70代の上司の活躍したエピソードなどを聞いてみるのはいかがでしょうか。もしくは、率直にあなたが困っていることや疑問に思っていることを相談してみるのも一案かと思います。
「実はね…」とか「あの人はね…」など、思いもよらなかったエピソードや事情があって、それを知るとこれまでの印象とは違った見方ができるかもしれません。また、いまの融通の効かなさに対しても「こう対処するといいよ」というコツのようなものを教えてもらえるかもしれません。

70代と20代では生きてきた時代が違いますし、価値観も考え方も違っていて当然だと思います。違うからこその面白さもそこには隠れているとも言えるし、興味を持って相手を知る・見るということをしてみると、これまでとは違う側面から捉えられることもあるのではないでしょうか。

仕事は好きだから辞めたくない気持ちもあるとのこと。70代の上司との関わりをポジティブに楽しんでみてくださいね。きっとそれが今後のあなたの仕事人生をさらに豊かにすることにつながると思います。

 

大塚 摂子(おおつか・せつこ)
シニア産業カウンセラー、公認心理師、2級キャリアコンサルティング技能士
主に福祉現場にて、若者や女性のキャリア相談、生活支援等に携わる。個別相談、セミナー講師などを通して、その人がその人らしく生きることを、伴走型支援を軸にサポートしている。

 

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