東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第41回は、シニア産業カウンセラー 精神保健福祉士、東京相談室カウンセラーとして活躍する寺山香保里さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
せっかく長く働きたいと思える職場に再就職したのに、前任者が思うように引き継ぎをしてくれない状況なのですね。誰でも新しい仕事についた時はわからないことだらけなのに、情報もなく上司からのフォローもないのでは、一人で頑張るしかなく、このままではどうなるのかと不安になるのも当然です。ただ、不安な気持ちだけに目を向けていると辛くなるばかりですので、一度立ち止まって今の状況を整理してみませんか。
自分ではどうしようもできないことと、自分ができていること
ご自身も65歳まで働きたいとお考えのように、必ずどんな人にも退職する日はきます。その点では、定年を迎えるAさんの「目もあわせてくれない」という態度は残念ですね。「Aさんがシニアスタッフとして働きたかったが駄目だったらしい」といううわさを耳にすると更にコミュニケーションもとりづらくなるのかもしれませんが、組織人事の問題についてはどうしようもありません。過度に気にしないようにしましょう。
一方、Kさんは困っている状況を上司に相談し、Aさんのたまの出社日を狙って引き継ぎをお願いするなど、工夫を重ねることができています。日々職場で右往左往しながらも、少しずつできる業務は増えてきているはずです。
一人で抱え込まずに「今」に着目する工夫
業務の引き継ぎは組織上の問題ですので、上司には「Aさんからは、わからないことがあったら上長か前の担当者にきくように引き継がれた」こと、「今は可能な限りAさんの出社日を狙って引き継ぎをお願いしている」という事実と「困った時には相談したい」という旨を具体的に伝えておきましょう。
また、引き継ぎでわからないことは、リストにしておくと、今の困りごとと、解決できたことを明確にすることができます。幸い上長や職場は雰囲気も良いとのことですので困った時には誰かに相談していくことで思いがけないサポートを得られるかもしれません。一人で抱え込まず、今できていることに着目していく工夫をしてみましょう。
寺山 香保里(てらやま・かほり) シニア産業カウンセラー 精神保健福祉士 企業で人事研修や人材育成の業務に従事した後、東京支部相談室カウンセラーを担当している。 |
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