Z世代の悩みとどう向き合うか

2022年7月18日

~今回の記事は、当協会の相談室契約企業様に3か月に1度、お届けしている「相談室だより」に掲載した内容です~

コロナや紛争、円安、物価上昇と様々な出来事が日本人のこころに圧迫感を与え続けています。皆さんの中にもテレワークが増えたことで、生活のペースが乱された方もいらしたことでしょう。

今年の新人も昨年同様に学生生活や、就活体験に制約を課され、リーダーシップやコミュニケーション力を高める経験に恵まれませんでした。ネットネイティブで好みの情報を収集することには長けていますが、タイムパフォーマンス思考であり、上の世代の私から見れば、生き急いでいるようにも見えます。

今回は2022年新入社員と同じZ世代と呼ばれる2年生。コロナ禍で社会人生活を始めた彼らが、今何を悩んでいるのか、どうやって立ち直っていくのかを事例を通してお話していきたいと思います。

Aさんの事例
仕事をしている意味、生きている意味がわからなくなりました。会社に入社したら、忙しくて生きる意味を探さなくていいかと思ったけど、仕事がうまくいかないと余計考えるようになりました。
そして考えるうちに出社するのが辛くなって、段々と鬱状態になりました。生きる意味がわからない自分はダメ人間だと思います。対応
Aさんは休職中に子供の頃から探していた自分探しの話をカウンセラーにしました。友達とは哲学的な話ができないということで、定期的にカウンセリングに通い、話したい事を話しながら復職し働いています。

 

Bさんの事例
先輩が怖いんです。今まで怒られたことなんて一度もないのに、たまに感情的に言われてしまいます。それに、今よりレベルの高い仕事を要求してくるんです。評価されたいから断れないし、3年で仕事ができるようになって一人前になりたい気持ちもあるんです。だから、先輩や上司には「なんでもやります!」って言っちゃって、結局一杯一杯になって、もう明日から出社したくないと思ってしまいます。でも、暇なのは成長できないようで、もっと嫌なんです。私はどうしたらいいんでしょうか?対応
相談室では、内省を促し、自分を客観的に見つめるサポートをしました。そして、おさらいですが、報連相やソーシャルスキルトレーニングもし、自己の成長を可視化できるよう、一人前に早くなるという高すぎる目標をもちすぎないよう、定期的にフォローしています。

 

Cさんの事例
最近胸が痛かったり、首が閉まるような感覚があるんです。でも、仕事は嫌ではありません。内科に行ってもどこも悪くないと言われました。対応
話を聴いてみると昨年遠方の実家から出てきて初めて一人暮らしをしているとのこと。
コロナで実家にも帰れず、さみしい日々を送っていました。ストレスが身体症状に出ることは珍しくないため、心療内科を受診してもらい、カウンセラーと話ながら、 自分が辛かったということを認識しました。東京での友人を増やす方法 を一緒に考え、実行した結果、症状はなくなり元気に今は働いています。

 

Z世代の悩みはいかがでしたでしょうか?
勿論、社内で解決できることも多々あったと思います。中にはこんなことで悩むのか?と思われた方もいるでしょう。
しかし、その悩みを放置することで、せっかく育てた社員がメンタル不調になったり、早期離職をしてしまうのです。

 


私たちは皆さんの良きパートナーでありたいと考えています。1年生や2年生のフォローアップ面談の習慣化をお勧めいたします。カウンセラーと話す内容はほとんどがこころの中の秘密の話。

相談室にモヤモヤは捨てて、パフォーマンスを発揮していただきたいと願っております

<文>
賀澤 美樹(かざわ・みき)
一般社団法人日本産業カウンセラー協会シニア産業カウンセラー、公認心理師(国家資格)、キャリアコンサルタント(国家資格)、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種/Ⅱ種。
東京相談室カウンセラーの他、多数の企業カウンセラーを経験。各企業の相談室運営に関してコンサルティング業務も行っている。

 

東京支部では、対面相談・電話カウンセリング・Webカウンセリングを行っています。
ご予約はWebから行えますのでぜひご活用ください。
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