こころのレシピ Vol.33 いら立つことが多くなりました

2023年5月12日

東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第33回は、シニア産業カウンセラー、公認心理師、1級キャリアコンサルティング技能士として活躍する川瀬香代子さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。

【ご相談:40代男性 Yさん 会社員】

最近、いら立つことが多くなりました。

みんなで作り上げてきた仕事の成果を独り占めしようとする人。
自分が飲みたいだけなのに、飲み会を主催しろと圧をかけてくる人。
電車で整列乗車しようと並んでいるのに、平気で割り込んでくる。
いまだに街中でタバコのポイ捨てする人。…などなど。
そういった人たちに出くわすたびに、イライラします。

一番嫌なのは、そんな人たちにいら立っている自分に対していら立ってしまうことです。
別に、そんな人たちの事なんて気にしなければいいではないか、と頭ではわかっているのですが、どうしても考えてしまい、しかも引きずってしまいます。
1つ1つはたいしたことではないのですが、積み重なると疲れてくるし、どうでもいい人たちに自分の心が振り回されているような気分になり、いら立つと共に滅入ってきます。

せめて自分に対していら立つのを止めたいです。
自分でコントロールする方法ってあるのでしょうか?

Yさん、ご相談ありがとうございます。
Yさんが出くわすイライラ場面は、どれも無理もないことだと思います。同時に、自分の気持ちがコントロールできないことが、疲れや気分の落ち込みにつながることもその通りだと思います。

今のYさんは、イライラする出来事に接すると、相手だけでなくいら立っている自分が嫌になり、ストレスを感じてさらにイライラしてしまう。これでは嫌な気分を引きずる負の連鎖が続くことになります。

この負の連鎖を止めるために、気持ちが収まった時に少し立ち止まって、自分が何にイライラしているのかを振返ってみませんか。

「小さなことでイライラする自分はダメだ」と自分を否定する気持ちや、苛立つ自分への嫌悪感はないでしょうか。
ルールを守らない人、わがままを押し付ける人に腹が立つのは無理もないことでしょう。そんな自然な感情を押し殺さずに、自分はいま、いら立っているんだとまずは認めてあげてください。いら立つ自分、完璧でない自分を許してあげられると、気持ちに余裕が生まれストレスが軽減すると思います。

また、日頃からストレスを溜めず発散することも、気持ちを整える上で効果的です。簡単な気分転換法を、日常生活に取り入れて習慣化しておくのもよいですね。

例えば、散歩やゆっくり入浴・深呼吸する、また掃除や整理整頓なども役に立つようです。

最後になりましたが、Yさんのイライラに体調不良が隠れていないかも注意してください。日常的な寝不足や疲労の蓄積など、身体の不調が気分に大きな影響を与えます。こころと身体の両面から、健康を大切にしてください。

川瀬香代子(かわせ・かよこ)
シニア産業カウンセラー・公認心理師・1級キャリアコンサルティング技能士・国家資格キャリアコンサルタント
東京支部相談室カウンセラー、企業では外部相談員として相談業務や研修講師を行っている

 

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