東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第30回は、シニア産業カウンセラー、臨床心理士、公認心理師として活躍する添田ひろ美さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
メールから、Tさんの苦しい胸の内が伝わってきました。
「仕事があるので、おしゃべりは控えてください」
そんなふうに言えたら、どんなスッキリすることでしょう。でも、Bさんは年上だし、ハラスメントみたいに思われたらどうしよう…と、慎重に対応なさっているのがTさんの今なのですね。辛さや苛立ちを抑えながら、Bさんの話に相槌を打つTさんは、どなたにも細やかな心配りをし、職場の雰囲気や和を大事にしている方ではないでしょうか。そんなTさんがそばにいらしたから、Bさんも安心してお仕事ができているのだと思いました。とはいえ、勤務時間は、仕事に集中したい。Tさんのおっしゃる通りだと思います。
ゆえに、今回上司にそれとなくご相談なさったのは、適切な対応だったと感じました。よくやられました。勇気が要ったことでしょう。
それだけに話だだけで終わってしまいがっかりなさったのも、当然だと感じました。一方で、上司にとっては大事な報告だったと感じました。これからは注意してBさんの言動を見てくださると思うからです。
ただ、早急な対応がないとTさんの心身の健康が心配です。そこで、Tさん自身が自分を守りながら、Bさんとうまく接することができるような工夫をお伝えしたいと思います。
「そのお話、お昼休みに聞いてもいいですか」と言ってしまう工夫です。さらに、「今の話、ちゃんと聞きたいので、後で聞かせてください」こんなふうにいうと、後で聞いてもらえるとわかり、おしゃべりを我慢できるようです。何より、Tさん自身が自分の気持ちを伝えられるので、我慢しないで済みます。勇気が要るかもしれません。Bさんが話し出したらすぐに言うと、言いやすいようです。
Bさんはおしゃべりで職場が盛り上がると思っているかもしれません。Bさんが話し続ける時は相槌を打たず、デスクに戻って仕事をすることも有効なようです。
Tさんの受容的な雰囲気を生かして(おしゃべりは後で)とBさんにメッセージすることで、Bさんも自然と言動を修正してくださるかもしれません。
参考になさってみてくださいね。
添田 ひろ美(そえだ・ひろみ) シニア産業カウンセラー、臨床心理士、公認心理師、2級キャリアコンサルティング技能士、カウンセリング心理士 相談室カウンセラー、学生相談室、自殺相談、女性相談も兼務。非言語を用いた心理支援も行なっている。 |
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