東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第36回は、シニア産業カウンセラー、公認心理師、2級キャリアコンサルタント技能士として活躍する内海仲子さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
Mさんは雇用の不安を感じながら、息子さんとの生活のため、事務職の派遣社員としてがむしゃらに働いてこられたのですね。その雇用の不安に加え、最近では派遣会社の対応や案件にも心細さを感じておられる状況とのこと、心中お察しいたします。
40代後半に差しかかり、このままでいいのだろうかと自問自答なさっているようですが、これをよい機会と考えて、一度、自分の生き方を「過去・現在・未来」という時間軸で視覚化して捉えてみてはいかがでしょうか。
<過去>
ご自身が一般事務職の経験を通して培ってきたスキルを整理します。
どんな業務が好きで得意なのか。例えばデータ入力が早い、資料作成が好き、電話対応で褒められた、などです。
またMさんは、子育てを通して身につけた段取り力や対応力など、仕事に応用できるスキルをたくさんお持ちのはずです。これらはポータブルスキルといって、環境が変わっても活かすことができる重要なスキルですので、宝探しをするつもりで、ご自身の力を見直してみてくださいね。
<現在>
悩みをお持ちの今は、実は今後について考える、よいチャンスが来たといえます。
Mさんが、今まで派遣社員として培われた対応力・瞬発力・適応力などは得難い経験だと思います。今後もそれは十分武器になるでしょう。
さらに、何をしている自分が一番好きか、充実しているかなどを見つめることも大切です。
イライラしている自分に気づいたら、大きく深呼吸しましょう。そしてその場を離れる、ア~~~ッと長く声を出す、水を飲む、など他のことに意識を向けると気持ちを切り替えやすくなります。
<未来>
今までは忙しすぎて将来のことを考える余裕などなかったのですね。
でも、中学生の息子さんは、どんどん自分でできることが増え、いずれ自立していきます。それを踏まえてご自身の未来の姿を想像してみましょう。自分は何を大切に生きていきたいのか、どうなっていたいのか、自由にイメージしてみてください。そして、面白そうな本を読んでみたり、興味のあることに着手してみたり、勉強会に参加してみたりと、何かを始めることで目指す方向が見えてくるかもしれません。キャリアコンサルタントに相談するなどして、自分からも積極的にヒントを見つけていってくださいね。
Mさんが自信をもって目指したい方向に進んでいかれますよう応援しています。
内海仲子(うつみ・なかこ) シニア産業カウンセラー、公認心理師、2級キャリアコンサルタント技能士。 東京支部相談室カウンセラー、官公庁・企業・大学等で、相談業務や研修を担当している。 |
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