11月5日(土)13:00〜15:00、オンラインにて、「子どもを虐待から守ろう 児童虐待を防ぐために」を開催いたしました。
コロナ禍による生活の変化で、閉鎖的な状況から親の暴言、暴力、また子どもの前で配偶者に暴力を振るうなど、さまざまな虐待が増えています。この講座では、こういった場面から子どもたちを守るために、家族支援の視点から子どもの虐待防止について学びました。
講師にお招きしたのは龍野陽子先生。社会福祉法人子どもの虐待防止法センター相談員として、日頃から多くの事例に接していらっしゃいます。当日は、クイズのワークで受講者の「虐待」へのイメージを引き出し、事例やデータの紹介、そして具体的な虐待の分類や内容をお話しいただきました。
「代理によるミュンヒハウゼン症候群」など珍しいタイプのものや、SNSを使った方法など、聞いてみなければわからないものがいくつもありました。
また、子どもへの虐待が増えた理由の一つに、心理的虐待(面前DV)などによる警察の関与と通告が増えたとのこと。10年前の約3倍にも登るそうです。
そして、虐待の背景にはさまざまな要因があり、それぞれが複雑に影響しているとも先生は話されました。例えば、子どもの養育が困難な親を支援することは子どもを支援することにつながるそうです。虐待は社会の問題でもあるのですね。
23名の参加者の中には、産業カウンセラー、現場で活躍されている支援者のほかに、子どもを預かっている保育士の方もたくさんいらっしゃいました。
龍野先生の「学校の先生には、子どもの評価につながると考えて言えないことも、保育園の先生には相談できます。問題を抱えている母親の味方になり、お母さんの気持ちに寄り添ってください。まず受け止めて、何かあれば、お母さんへの支援が必要だということを親に話して、市町村のセンターなどに通告するのです。」との言葉に、ハッとした保育士さんも多かったようです。
事例討議のグループワークでは、活発な意見交換が交わされていました。その際も、龍野先生から女性センター担当者の対応の事例や、DV加害者である夫への支援の重要性などをお聞きすることができました。
<参加者の声> ・講義とグループディスカッションで、凝縮された学びが多く有益な時間だった。 ・保育士として働いていて、今現在虐待が疑われている子がいる。今回の講義を受けて、子どもや親にとってどのような対応が適切なのか学ぶことができた。他業種の方のフラットな意見を聞き、違う視点での発見があり、よかった。 ・児童虐待の具体的な事例を交えてお聞きして、大変勉強になった。グループワークでは、参加者それぞれの視点の広さが共有され、一人ではできない気づきがあった。座学だけよりもグループワークのある講座の方がためになると感じた。 ・普段ニュースなどでしか目にすることがないため、児童虐待に関する背景や現状を知ることができて大変参考になった。 |
社会貢献推進部では、子どもの支援に関する講座を予定しております。ぜひご参加ください!
S-409 苦戦する子どもの支援 【講師】石隈 利紀(東京成徳大学大学院 心理学研究科長) 【開催日時】2023年1月9日(月祝)13:00~15:00 【開催場所】オンライン(Zoom) ◆詳細はこちら↓ https://www.counselor-tokyo.jp/course/20230109s-409 |