マネジメント職のモチベーション低下

2024年2月7日

~本記事は、当協会の相談室契約企業様に3か月に1度、お届けしている「メンタルヘルス 春夏秋冬」に掲載した内容です~

働き方改革がこれだけ叫ばれ続けているのに、管理職を取り巻く環境はなかなか改善されず、それどころか悪化の一途をたどっているように思われます。

コロナ禍で生き残りに必死な上、上からのプレッシャーは高まり、低賃金に不満を持つ部下からは「それ、意味あるんっすか?」と突かれたり、身も心もストレスにさらされて病んでしまう管理職が増えているように感じます。

そんな“疲弊する管理職”を目にすれば、「管理職になるのは損なのではないか」と考えてしまうこともあるのではないでしょうか。「若い人たちや女性が管理職になりたがらない」という嘆きを、コロナ前にも聞くことはありましたが、“管理職アレルギー”が、40 代まで広がっているのが現実だと言えます。

また、定年の延長、再雇用が広がる中で、今まで上司だった先輩が自分の部下になるということも珍しくなくなりました。こうした職場においては、実際にかつての先輩・ 上司から指導的な言葉を言われることもあると聞きます。気持ちはなかなか休まらず、中にはうつ的になってしまったり身体を壊したりする管理職の方も残念ながら目にせざるをえません。

望まれてマネージャーに昇進し、当初は本人も家族も張り切っていたのに、
思うようにいかないことが多くなってしまう方が多いことを見てまいりました。
いわゆる「昇進うつ病」と呼ばれているものですね。

一方で、限界を感じて上席や人事などに相談し、マネージャーの肩書を外していただくことによって
プレイヤーとしてまた生き生きと働いていらっしゃる方もおります。
まさしく与えられた舞台ではなくご自身で選んだ舞台と言えるのではないでしょうか。

上席に相談出来れば道も開けるかもしれませんが、やはり雇用環境や経済の改善が必要かと思います。すぐには難しいと思いますのでまずは自身を、そして周りの社員達を守るためにも以下の対処行動、考え方も参考にしていただければ幸いです。

1. 休日はしっかり休み、残業はほどほどに… 疲れていては効率は上がりません
2. 自分を追い込みすぎていないか、仕事を抱え込みすぎていないか振り返ってみる
3. 管理職になって得たものを振り返ってみよう‥良い面にも意識を向ける
4. 部下の働きに感謝しよう
5. 趣味で息を抜こう
6. 笑いはストレスの薬である…笑顔、笑い声を意識してみる
7. 体を動かしてみよう

管理職の立場だとなかなか周囲にも思いを吐き出せないこともあると思います。そんな時は、守秘義務のあるカウンセリングを気軽にご利用いただくこともおすすめです。

 

<文>
久保敦子(くぼ・あつこ)
東京支部相談室カウンセラー

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