こころのレシピ Vol.2
「不安を大切に扱う」

2020年4月7日

東京支部では、この時期に寄せられているご相談について、ストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。

第2回は、シニア産業カウンセラーであり、相談事業部長として日ごろ様々な相談に対応している久保敦子さんの登場です。お時間のある時にぜひご一読いただければと思います。

【ご相談:Yさん・会社員・ 20代後半(一人暮らし)】
外出自粛などで家にいる時間が増えています。TVやネット、SNSで新型コロナの情報に触れる時間が多くなり、今後どうなるのか、漠然とした不安が強まっています。実家の家族にそのことを話したところ、「考えたってしょうがない、気を付けるしかないでしょ」と言われてしまいました。話した直後はそうかな…と思いましたが、すぐにまた不安に襲われてしまいます。私の心が弱いのでしょうか。

(久保)不安・・人間の感情の中で、かなりやっかいなのがこの「不安」という感情ですね。ストレス社会に生きる私たちは、個人差はあれ、誰しも「不安」を持っています。

一方で、不安はよく言われるように、生きていく上で欠かせないものです。自分を守り、よりよい仕事などを行っていく上で、この「不安」がなければ、鎧(よろい)を捨てた武士のようなもの。

ただ、ここで問題にしたいのは「日常生活に支障が出てきている不安」です。

2020年、オリンピックイヤーに突如出現した「新型コロナウイルス」。今までと違った形というだけではなく、人類が初めて経験する「新型」「ワクチンがない」というところに多くの方が不安を持たれていることと思います。

それはやはり、自分だけではなく周りの人達にも影響を与えることを恐れるからではないでしょうか。人は守るべきものがあるとその意識が強くなります。

Yさんもまた大切な人を守りたい、失いたくないという思いがあるのではないでしょうか。

Yさんはとっても穏やかで優しい方だと感じました。

ただ、今は、少しだけ不安が強くなっている状態だと思います。人類が経験する初めてのことでしょうから不安になって当たり前です。まずはそう受け止めてみてくださいね。

不安な気持ちは一人で抱えず、誰かに話すだけでも楽になることがあります。身近な人に話してみたり、下記のような相談窓口の利用も検討してみてくださいね。

厚生労働省:働く人のメンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」
電話相談、メール相談、その他各種情報が掲載されています。

久保敦子(くぼ・あつこ)
日本産業カウンセラー協会東京支部・相談事業部長。産業カウンセラーとして25年活動。

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