東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第24回は、メンタルヘルス対策やハラスメント防止研修の講師、産業カウンセラーおよびキャリアコンサルタントとして活動する小磯和俊さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
【ご相談: 40代 会社員】
職場の上司に毎日のように嫌みなメールをもらうため心身ともに疲弊しています。 仕事もわざと増やされてしまい、本来の業務に支障をきたしています。 今後上司とどのように接したら良いのでしょうか。 |
ご相談ありがとうございました。繰り返し読ませて頂くうちに、短い文章からでも本当に困っている様子が伝わってきました。ルールを確認しただけなのに、なぜこんな目に遭うのか。上司への不信感や「仕事なんだから私情を挟まないで」というお気持ちも感じます。
業務に支障を来たすのであれば放置できない問題ですし、疲弊している心身を回復させることが第一だと思います。
上司は「気に障った」ようですが、上司を変えることは難しいでしょうから、まずは、自分のほうに注目して、関わり方を変えてみるのは如何でしょうか。
例えば、「こんなこともできないの」といった嫌みに対しては、①業務経験や仕事の現状など客観的な事柄を伝えてから、②困惑しているなど主観的な気持ちを伝える。そのうえで、③「教えてください」と申し出たり、④「調べますので少し時間をください」と代替案も提示してみるなどです。ポイントは自分を犠牲にせず、相手が受け入れやすい形で伝えていくことです。
また、既に試みているかもしれませんが、上司の上長に相談するのも一案です。
業務分担の偏り等の仕事上の支障に注目し、単なる人間関係のトラブルではなく、職場の問題として上長に相談するということになります。上長には上司を指導し、職場の秩序を保つ、そのうえで業務のパフォーマンスを上げるという役割があります。
なので、上長に相談することにためらう必要はありません。日頃の上長との接点が少ないと相談しにくいかもしれませんが。
上長に真摯に取り合ってもらえないようなら、職場の相談窓口を利用することも考えられます。ハラスメントの相談窓口などは法令上も設置義務がありますし、ハラスメントに該当しないと思われる事案でも、窓口は広く対応することが求められています。
上司への対応について、いくつか書かせて頂きました。少しでもお役に立つと好いのですが。
小磯 和俊(こいそ・かずとし) 『啓和講』の屋号で「人と組織の健康を希究する」をテーマに事業を営む。メンタルヘルス対策やハラスメント防止研修の講義、産業カウンセリングおよびキャリアコンサルティング、また整躰等の業務に日々携わっている。 |
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