東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第39回は、2級キャリアコンサルティング技能士・産業カウンセラー・PMP(Project Management Professional)として活躍する末吉健一さんです。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
Aさんは、周りの皆さんにとても配慮をしてお仕事をされているのですね。
相手の顔が見えないと「今、連絡すると迷惑かもしれない」と、連絡するのをためらってしまうご様子からもそのことがよく伝わってきます。
せっかくの「働き方改革」も、本末転倒のように思えていらっしゃるのですね。
通勤がないことで体の疲れが少なくなり、終業後はすぐにプライベートの時間に切り替えられるなど喜ばしい状況でもあり、葛藤を抱えていらっしゃるように感じました。
さて、在宅勤務でもうまくコミュニケーションを取る方法について、次のようなステップで状況を整理してみてはいかがでしょうか。
(1)連絡を取る頻度が高い相手のリストを作る
まず現状をしっかりと認識することで、減らすことができる「連絡を取る回数×ためらう時間」の見込みがわかるようになると思います。連絡を取る頻度が高い相手のリストを作成してみてください。
(2)連絡を取る頻度が高い相手と、急ぎの場合の連絡手段をあらかじめ決めておく
急ぎの場合の連絡手段をあらかじめ決めておくことで、いざ連絡を取りたいときに「今、連絡すると迷惑かもしれない」とためらう時間を無くすことができると思います。
ポイントは相手が希望する連絡手段にすることです。チャットや電話のようにリアルタイム性が高い手段を好む方もいれば、メールを送ってくれたらいつでもすぐに返信するから電話やチャットで割り込まないでほしいという方もいます。
(3)Aさんに対する、急ぎの場合の連絡手段をあらかじめ決めて伝えておく
Aさんに対して連絡を取りたい相手も、もしかしたら「今、連絡すると迷惑かもしれない」とためらう時間を持っているかもしれません。
Aさんが希望する急ぎの場合の連絡手段を、あらかじめ連絡を取る頻度が高い相手に伝えておくことで、相手がためらう時間を無くすことができると思います。
コミュニケーションは相手を伴います。Aさんがお一人だけで何とかしようとせず、コミュニケーションにおいて困っていることを相手と会話して、お互いによりよく仕事を進めていけるやり方を合意することが大切だと思います。
お伝えしたステップで、在宅勤務でもうまくコミュニケーションを取る方法をお伝えしました。近い将来には職場、会社全体でこれを進めていくことで真の「働き方改革」につなげ、いっそうのQOL(Quality of life)向上を目指していけるかもしれません。
末吉 健一(すえよし・けんいち) 2級キャリアコンサルティング技能士・産業カウンセラー・PMP(Project Management Professional) 電機メーカーでIT技術者として約29年間勤務後、人材開発部門へ異動。 自社への「セルフ・キャリアドック」導入プロジェクトに携わり、社内で運用する仕組みを確立させた。社員のライフキャリア支援面談を日々行っており、相談数は1,100件を超える(2023年11月現在) |
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